コンテンツへスキップ

当サイトについて

腺友倶楽部(前立腺がん患者・家族の会)では、前立腺がんの正しい医療情報を患者さんにお届けすることを大切な使命のひとつと考えています。セミナー等を開催し、専門医に最新の医療情報に基づく講演を依頼し、その動画をWEBにてオンデマンド配信を行い、さらに会報にもその要旨を掲載して、会員のみならず全国のがん拠点病院の相談支援センター等にも無償配布を行っています(計5000部)。

近年は、高齢者でもYoutubeなどの動画を見る人が増えつつあり、その情報伝達力も評価されつつあります。動画配信の必要性が高まりつつあるにも関わらず、腺友倶楽部ではこれまでの動画配信は、HPに控えめに掲載すると共に、キャンサーチャンネル(CNJ)にも掲載を依頼していました。

しかし、今後は腺友倶楽部としても独自の動画サイトを持つべきであると考え、このたび、前立腺がんに関する総合的な動画集約サイト「Mo-CHANNEL」を、ここに新たに立ち上げることとなりました。

Mo-CHANNELの特徴について

1)主なCONTENTS

  1. 腺友倶楽部が主催(または共催)するセミナーやフォーラムの講演動画
  2. 前立腺研究財団が配信する専門医による解説動画
  3. その他掲載に値すると思われる前立腺がん関連動画
  4. 前立腺がん以外の男性がん関連動画

2)視聴INDEX

  • 一覧表形式の「視聴INDEX」から動画を見ていただく形としました。講演タイトル、演者、年度、種別などは、このページだけでも見やすくなっています。
  • 検索は、キーワード検索と任意検索のいずれの方法でも可能となっています。
  • 会報等に講演抄録が存在する場合には、そのPDFにリンクを張っており、「動画を見る」と「文字を読む」を併用し、講演内容の理解を深めやすくしています。

知っておきたい、前立腺がんの予備知識

1) 前立腺がんの特徴について

腺がんは年間9万5千人が罹患し、男性がんでは最多となっています。前立腺がんには、臨床上あまり重要でないがんと、命を脅かす重要ながんがあり、その見極めと、状態に応じた適切な治療が重要となります。

前者においては、過剰治療を減らすため監視療法も重要な選択肢となります。前立腺がんの5年生存率はほぼ100%近いと言われていますが、ほとんどのがんが治癒するわけではありません。残念ながらお亡くなりになる方も年間1万3千人ほどおられるのも事実であり、がんと共存しながら、薬物療法等で生きながらえている人もたくさんおられます。

前立腺がんを甘く見て、失敗する事例も珍しくありません。監視療法でも十分ながんでも、手術を勧められ不必要な副作用を被るケースもあれば(過剰治療)、ようやく一次治療を終えたのもつかの間、また再発する例も多くあります。多くの医師は、少しでも転移があれば薬物療法を勧めますが、オリゴ転移と言われる状態であれば、探せば積極的治療を行ってくれる施設がみつかり、放射線治療で良好な経過を辿る場合があることも、患者は知っておくべきでしょう。

医師に従順な患者が良い患者とは限らないのが、この前立腺がんの特徴でもあるのです。

2) 前立腺がんの医療環境について

前立腺がんの治療法というのは多岐に渡っており、治療を担う診療科も複数に跨っており、ほぼすべての治療法を院内で実施できる施設は、まずないと思ってよいでしょう。手術と放射線治療の比率は欧米では放射線治療のほうが多いにもかかわらず、日本では圧倒的に手術のほうが多くなっています。

患者がまず向き合うのは、泌尿器科の担当医ですが、すべての治療情報を担当医から得られるとは限りません。泌尿器科と放射線治療科との連携が良くない施設では、手術を勧めることが多いので、当然、その比率が高くなる傾向があります。放射線治療科との連携が良い施設では、放射線治療の比率も高くなる傾向があります。しかし、我国の医療施設では、泌尿器科と放射線治療科の連携がうまく行っている例は、そう多くはありません。

担当医から治療法の全体像を示されないまま手術を勧められ、治療を終えてから、他にもまだ治療法があったということを知り、残念に思うケースも少なくありません。初めて接する担当医が、著名な大病院の医師であればなおおのこと、すべての治療法を公平に検討し、治癒率の高い治療法を勧めてくれると、思うかもしれませんが、実際はそうにあらず。

後悔先に立たず。こうした医療環境は、患者にとって心穏やかなものではないはずです。自分自身でしっかり調べ、納得できる治療法を選ぶことが重要となってきます。